肩こりと一緒に繰り返す後頭部の痛みでは、後頭下筋群、僧帽筋、胸鎖乳突筋などのトリガーポイントと、首から後頭部へつながる筋膜が関係する場合があります。頭痛の記録を取りながら、首の動きや押すと普段の痛みが再現される点を確認することが、対策を選ぶ第一歩です。新しく強い症状や神経症状がある場合は先に医療機関へ相談します。
01 / CHECK
まず、症状の出方を4つに分けます
同じ「肩こりと後頭部の頭痛」でも、痛みが出るタイミングや一緒に起こる症状によって、優先する対応は変わります。診断の代わりではありませんが、受診時にも役立つ確認項目です。
突然の激しい頭痛は肩こりとして様子を見ません。
痛み方、左右、持続時間を記録します。
頭痛の種類や緊急性を考える重要な情報です。
首の可動域や圧痛は手がかりですが、診断そのものではありません。
02 / POSSIBILITIES
考えられる要因は一つではありません
頭痛と肩こりが同時にあるときも、原因は一つとは限りません。主な候補を分けて考えます。
両側性で締めつけるような痛みが多く、首肩の圧痛を伴うことがあります。ただし、症状の組み合わせで医師が診断します。
脈打つ痛み、吐き気、光や音がつらいなどを伴うことがあります。肩こりを前触れや随伴症状として感じる人もいます。
首の動きや姿勢で頭痛が変わり、後頭部から片側へ広がる場合があります。他の頭痛との区別が必要です。
くも膜下出血、感染症、脳血管障害など病気に伴う頭痛です。突然の激痛や神経症状など、危険なサインを優先します。
03 / TRIGGER POINT & FASCIA
トリガーポイントと筋膜から見ると
僧帽筋上部、後頭下筋群、胸鎖乳突筋などのトリガーポイントでは、押した場所とは離れた後頭部、こめかみ、目の周囲へ関連痛が出ることがあります。つまり、後頭部を揉むだけで変わらない頭痛は、首や肩の別の場所に痛みの原因が隠れている可能性があります。
- 後頭下筋群:後頭部と上位頚椎の間。後頭部の圧痛や首の動きを確認します。
- 僧帽筋上部:肩から側頭部へ関連痛が出ることがあります。
- 胸鎖乳突筋:こめかみや目の周囲へ関連痛が出ることがあります。首の前外側を自己流で強く押しません。
- 肩甲挙筋:首肩のこりと可動域制限に関わることがあります。
痛む場所から離れた筋肉・筋膜まで確認します
後頭部から首、肩へ続く筋膜は一続きです。デスクワークや目線の固定で首肩が働き続けると、首の付け根の過敏な点と筋膜の張りが重なり、後頭部へ痛みを感じることがあります。Aquaでは頭痛が出る場面と首の動きを確認し、関連する筋肉と筋膜の流れを見ます。
緊張型頭痛や頚性頭痛では、トリガーポイントへのマッサージや手技による痛み・機能の変化を調べた比較試験があります。頭痛の種類を確認したうえで、首肩の反応が関係している方には、痛む場所と離れた痛みの原因へ働きかけることが有力な選択肢になります。
- 押すと「いつもの痛み」が再現される点を探す
- 筋肉単体ではなく、連結した筋膜と動きを見る
- 同じ動作を施術前後で比べ、変化を共有する
04 / MEDICAL CHECK
先に医療機関で確認したい頭痛
普段の肩こりに伴う頭痛と様子が違う場合は、首肩へのセルフケアを続けず医療機関へ相談してください。
施術・セルフケア前に確認したいこと
- 突然発症し、今まで経験したことのない激しい頭痛
- 顔や手足のしびれ・脱力、ろれつが回らない、意識がおかしい
- 支えなしで立てないほどのふらつき、けいれんを伴う
- 発熱、首の強いこわばり、繰り返す嘔吐を伴う
- 頭や首をぶつけたあとに出た、または日ごとに悪化する
- 妊娠・産後、がん治療中、免疫が低下している状態で新しく出た頭痛
05 / SELF CARE
痛みを増やさないセルフケア
危険なサインがなく、医療機関で繰り返す頭痛について相談している場合の補助的な工夫です。
始まった時刻、持続時間、痛み方、左右、吐き気、光・音、服薬、月経、睡眠、首肩の状態を記録します。診察時の判断材料になります。
中止の目安:市販薬の使用回数も記録してください。片頭痛のように動くと悪化する場合は休み、緊張型頭痛で軽い動きが楽なら肩の上げ下げや短い歩行を試します。
中止の目安:頭痛が強まる方法は中止します。タオルで首を支える、入浴で楽なら温めるなど刺激の弱い方法を選びます。
中止の目安:首の前や後頭部を硬い道具で圧迫し続けないでください。06 / AVOID
つらいときに避けたいこと
痛い場所を強く刺激するほどよいとは限りません。症状がはっきりしない段階では、次の行動を避けてください。
- 突然の激しい頭痛を肩こりとして揉む
- 首を強くひねる、勢いをつけた矯正を受ける
- 鎮痛薬の回数が増えているのに自己判断で続ける
07 / WHERE TO CONSULT
相談先をどう選ぶか
検査が必要な症状は医療機関へ。強い神経症状がなく、セルフケアで変わりにくい筋肉や動作の問題は、鍼灸院・施術所で相談できます。
- 脳神経内科・脳神経外科・頭痛外来
- 繰り返す頭痛、痛み方が変わった、服薬が増えた、診断を受けていない場合。
- 鍼灸院・施術所
- 慢性的に続く痛みや症状を改善したい場合。
08 / AQUA'S VIEW
Aquaでは、痛みの原因と身体のつながりを動作から探します
困っている動作を実際に確認し、痛む場所だけでなく、離れた筋肉のトリガーポイントと連結する筋膜まで見ます。医療機関で確認した内容や服薬、既往歴がある場合は、それも施術計画へ反映します。
主に確認すること
- 頭痛の発症、痛み方、持続時間、随伴症状
- 医療機関での診断と服薬内容
- 首の動きと頭痛の変化
- 後頭下筋群、僧帽筋、胸鎖乳突筋などの反応
- 睡眠、画面作業、食事、運動など生活上の変化
確認した内容をご説明し、刺激の強さや施術方法について同意をいただいてから進めます。状態により、鍼灸・手技・セルフケアを組み合わせます。
09 / FAQ
よくある質問
肩こりをほぐせば頭痛も楽になりますか?
首肩の筋肉が関係する頭痛では変化する場合がありますが、片頭痛や二次性頭痛など別の種類もあります。まず頭痛の種類と危険なサインを確認します。
後頭部を押すと痛いのはトリガーポイントですか?
圧痛は手がかりですが、それだけでトリガーポイントや頭痛の種類を診断できません。突然の頭痛や神経症状があれば押さずに受診してください。
頭痛薬を飲んでよいですか?
処方薬は医師の指示に従い、市販薬も薬剤師へ相談してください。使用回数が増えると薬剤の使用過多による頭痛が問題になる場合があるため、頭痛日記へ記録します。
10 / SUMMARY
まとめ
- 肩こりと頭痛が同時にあっても、肩こりが原因とは限らない
- 新しく強い頭痛、神経症状、発熱、外傷後の頭痛は医療機関で確認する
- 繰り返す頭痛は頭痛日記をつけ、医師へ相談する
- トリガーポイントや筋膜への対応は診断後の補助として考える
参考情報
- 日本頭痛学会「頭痛の診療ガイドライン2021」
- Moraska et al. Trigger point-focused massage for tension-type headache (2015)
- Bodes-Pardo et al. Manual treatment for cervicogenic headache and SCM trigger points (2013)
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、診断や治療の代わりになるものではありません。症状が強い、悪化する、受診の目安に当てはまる場合は、医療機関へご相談ください。セルフケアは体調に合わせ、痛みやしびれが増す場合は中止してください。